2009年11月20日金曜日

東京に我が家なし


東京空


半お忍びで東京に行っていた(セレブかっ!)
ロンドンにやっと帰って来て、ほっと一息。
「あぁ、あたしの『家』はここなんだわー。」と激しく実感。
落ちてる馬糞にちゅーしたくなったわ。

住み慣れたはずの東京なのに、そこにはもう「家」と呼べるものがないということが不思議な気分だった。
その不思議な気分を解析していくと、最後には哀しくなっちゃいそうだから書かないけど。
若いころは「家」というものから出たくてしょうがなかったのに、この年になってその存在が恋しくてたまらない自分に気づいたわ。
ひょっとして旅行すること自体実はあんまり好きじゃないんじゃないか?とすら考えてしまった自分を振り返る旅だったわ。
年やわー。
そんなとき、敬愛する須賀敦子の「ミラノ霧の風景」を東京のホテルで読んだら案の定心の一番深い部分にずーんと響いてきたわ。須賀ファンのあたしが今までどうしてこのもっとも有名な彼女の随筆を読んでなかったのかが不思議。沢山の人が言う如くに、この第一作目が一番良いし、強い。本読んで久しぶりに嗚咽しちゃった。その時の気分と呼応するものがあって、いたたまれなくなってしまったの。
あたしの棺桶には須賀敦子の著書全部入れて欲しいわ。

と、おセンチになっちゃったけど、楽しいことも沢山あったのよ。
今回の訪日(オバマかっ!)のメインイベントは友達のチェリストの花岡伸子ちゃんとピアニストのジョン・ミルバウアーのデュエットを聞くため。
と、いうのは表向きで、3年も会ってなかった大学院時代の友人ジョンに会うのが一番の楽しみでした(彼は博士課程に行ってた)。
六義園や箱根の温泉に行ったのは本当に良い思い出。
こんな気の置けない調子で昔は一緒にローマやサンフランシスコに行ったことを思い出して語り、あたしらも年取ったわー、昔はほんと若かったわー、どうでもいいことで喧嘩したわー、などと不条理に過ぎ去っていった月日の長さを改めて思い知らされました。
ジョンは日本なんかに興味ないと思ってたのに、いざ来てみると日本の「表面的なおもてなし」、「全体像が見えてないきめ細やかさ」、「前に立つと勝手に開くトイレ」にコロっと参ってたわ。
「日本は僕を愛してるんだねーっ!」
と、勘違い外人丸出し甚だしい。

忙しいのにわざわざあたしなんかに会ってくれた東京のみなさん、ありがとう。
スケジュールが合わなくて、会えなかった皆さん、ごめんなさい。
夢で会いましょう。

美しい六義園

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