2012年2月12日日曜日

バーバラ先生との思い出

その昔、ニュージャージーに車で出張レッスンに行っていた頃の話。
Short Hillsというセレブエリアにほど近いところで個人の内科クリニックの医師、バーバラ先生に約一年間ピアノを教えていたことがある。
一軒家の一部を診療室にしているような、ごく小さい、でもとても清潔なクリニックだった。
バーバラ先生はお年のころ当時50代半ばぐらい。ものすごくグラマーでお色気ムンムン。女優のミッツィ・ゲイナー(古過ぎる)にそっくりで、そのテの趣味の殿方には(爆)にはたまらないであろう魅力を放った人だった。白衣の間から覗くオッパイの谷間がすごく大きかった。当時は独身でいろんなお金持ちとデートしていて、逐一その報告があった(爆)。でもはなっから結婚する気はないらしかった。
「男なんて、絶対に信用できないのよ。」が日頃の口癖だった。
あたしのことをすごく気に入ってくれて、乾燥肌に効くクスリをくれたり夕食時にはビーフシチューを作ってくれて、「ギャリーと食べてね」と持たせてくださった(書いてて泣きそう)。

ある日、先生の家の玄関のベルを鳴らしても誰も一向に出てこないから不思議に思った。絶対にレッスンの時間を忘れることなんてなかったし、レッスンは診療時間外に組まれていたからだ。
あたしは駐車場に戻り、車の中でしばらく待つことに。いつもは停められていないピカピカのレンジ・ローバーを横に見ながら。先生の車が家の前にあったから絶対にいるはずだと確信していた。
10分ほど待ってて、さて帰ろうかなと思っていた矢先にクリニックのほうの扉から白衣を着た先生と3人のなんだか普通の人とは違う光を放っている黒人が出て来た。

ホイットニー・ヒューストンと当時のご主人ボビー・ブラウン、それにボビーの妹さんだった。

先生は彼らのレンジローバーまで送りに来てとなりにいたあたしに気づき、ホイットニーに向かって
「あたしのピアノの先生よ。素晴らしい先生なのよ。」なんて心にもないこと言ってくれた。
ホイットニーが「Oh, someday I will need a piano lesson. Are you really good?」なんてエラい真剣な感じで言ってきた。ボビーは「Whassup ma, men. Yo.」みたいなこと言ってたと思う。あたしは彼らの気さくな感じに感動しながら一方でホイットニーの顔が長いこと、やたら老けて見えること、香水が良い匂いだったこと、でもなんだかちょっと尋常じゃない感が漂っていることが気になってた。
彼らを見送って、やたら興奮してるあたしにバーバラ先生が
「あぁ、本当に素晴らしい歌手だから絶対に‘変なこと’しないほうがいいわね。今日もお説教したわ。彼女あたしには頭上がらないのよ。」

バーバラ先生に「彼女の90年の横浜でのコンサート、最悪だったわ。全然歌う気なかったもん。そのことご本人に言いたかったわw」って言ったら「また言う機会はあるかもしれないわよ。ここで会うかもよ。」

その後、ほどなくしてニューヨークのレッスンでいっぱいいっぱいになってしまったあたしは、高いガソリン代とジョージワシントン橋の通行料を払っての出張レッスンをすべてやめてしまった。
先生が「オペラ一緒に見に行きましょうよ。」と何度か言ってくれていたんだけど、それっきりになってしまった。

その後ホイットニーをメディアで見るたびにバーバラ先生のことを思い出していた。
数年前彼女がドラッグの問題から抜け出したと聞いた時、バーバラ先生のところにはもう行かなくていいのかしら?なんだかそれは良い事だけどちょっと寂しいものだわ、と思ったものだ。
最近は本当に元気になった感じだったので、とても安心していた。

そんなホイットニーが突然死んでしまった。

バーバラ先生、どんなお気持ちでいらっしゃるかしら。
きっと納得のいかない複雑な気持ちでおられるに違いない。

合掌。ホイットニーの御霊よ安らかに。素晴らしい歌と時代をありがとう。

2 件のコメント:

yukaroba さんのコメント...

まあちゃん、す・すごいネタ持ってるね・・
悲しいニュースでした、合掌。

まぁちゃん さんのコメント...

ゆかろぶ> ゆかろばもいっぱいネタ持ってるやん。キャスリーン・ターナーとラーメンしばいた、とか(爆)。